2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791253
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小沢 洋子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90265885)
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Keywords | 網膜 / 再生 / 分化誘導 / 視細胞 / ロドプシン |
Research Abstract |
網膜視細胞への分化を促す条件を探るために、マウス網膜を用いて研究している。Numbによる網膜視細胞の分化促進と、Notchシグナル抑制の関係を解析し、視細胞分化に関わるメカニズムをcrx,ロドプシンなどの分子レベルで解析することを目的としている。 まず、正常発生における、Notch、Numbの発現パターンを発生段階ごとに解析したところ、Notchシグナルは、視細胞の分化に先駆けて、不活性化していた。これに対し、Notchシグナルの不活性化に関与しうるNumbは同部位で同時期に、発現していた。これは、NumbがNotchシグナルを抑えて視細胞分化を促進するという、仮説に矛盾しなかった。そこで、次に、予定したとおり、生後0日目のマウス神経網膜を器官培養し、遺伝子導入を行い、導入された細胞での細胞の運命を解析した。活性型Notch遺伝子が導入されると、ミューラー(グリア)細胞と一部の介在ニューロンにも分化する細胞が増え、視細胞への分化は抑制されていた。これに対し、Numb遺伝子が導入されると、視細胞に分化する傾向にあった。反対に、Numb遺伝子をノックダウンすると視細胞への分化が抑制される傾向があった。これは、目的を達成するための有力なデータであった。しかし、この方法では、導入遺伝子は分裂と関係なく発現してしまうため、次に、実際にNotch-Numbシグナルが関与する、分裂直後の細胞にのみ、遺伝子の強制発現をすべく、網膜器官培養にレトロウイルスを感染させる系を確立した。その結果、Notchの活性化は視細胞への分化を阻害するが、それ以外の細胞にはグリア細胞に限らず分化しうること、Numbの導入は視細胞への分化を許容することが明らかになった。 現在では、さらに、これらの細胞分化の調節機構を詳細に探るため、視細胞マーカーであるロドプシンの上流転写因子、Crxのモノクローナル抗体の作成の途中であり、有望なクローンを得るに至っている。
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[Journal Article] Suppression of ocular inflammation in endotoxin-induced uveitis by blocking the angiotensin II type 1 receptor.2005
Author(s)
Nagai N, Oike Y, Noda K, Urano T, Kubota Y, Ozawa Y, Shinoda H, Koto T, Shinoda K, Inoue M, Tsubota K, Yamashiro K, Suda T, Ishida S.
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Journal Title
Invest Ophthalmol Vis Sci. Aug;46(8)
Pages: 2925-2931