2005 Fiscal Year Annual Research Report
アンジオテンシンII受容体シグナルによる眼内血管新生の調節
Project/Area Number |
17791255
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
永井 紀博 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10327611)
|
Keywords | 網膜血管新生 / 炎症 / 白血球 / レニン・アンジオテンシン系 / ARB / 接着分子 / サイトカイン / 糖尿病網膜症 |
Research Abstract |
網膜血管新生および網膜炎症は失明原因の首座を占める糖尿病網膜症の中心病態である。我々は網膜血管新生、網膜炎症へのアンジオテンシンII受容体シグナルの関与について2種の動物モデルを用いて検討した。 (1)マウス虚血網膜症モデル 網膜血管新生のモデルである。マウス新生仔を高酸素インキュベーターで飼育後正常大気下に戻すことで、網膜虚血を基盤とし増殖糖尿病網膜症でみられる網膜病理的血管新生が誘導される。我々は本モデルにおける網膜病理的血管新生がアンジオテンシンII1型受容体(AT1-R)拮抗薬telmisartanの投与によって選択的に阻害されること、その細胞・分子メカニズムとしてtelmisartanが血管内皮・白血球間の接着因子であるintercellular adhesion molecule (ICAM)-1を介した網膜血管への白血球接着の抑制することを明らかにした。さらに増殖糖尿病網膜症患者からインフォームドコンセントに基づき硝子体手術中に得られた線維血管組織にもAT1-Rが発現していることも示した。(Invest Ophthalmol Vis Sci 2005,46(3),1078-1084) (2)マウスendotoxin-induced uveitis (EIU)モデル lipopolysaccharide (LPS)によって誘導される高度の眼内炎症モデルである。我々は本モデルにおいてtelmisartanによるAT1-Rシグナルの阻害によってICAM-1を介した網膜血管白血球接着や前房内細胞浸潤だけでなく、網膜におけるinterleukin-6、tumor necrosis factor-alphaなどのサイトカインの発現などの様々な炎症のステップが抑制されることを明らかにした。(Invest Ophthalmol Vis Sci 2005,46(8),2925-2931)
|
Research Products
(4 results)