2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791259
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
佐竹 良之 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (60385143)
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Keywords | 再生医学 / 眼表面再建術 / 培養上皮移植 / 角膜 / 口腔粘膜 / バリアー機能 |
Research Abstract |
平成17年の1年間に、当施設において24件の培養上皮移植を施行した。その内訳は、培養角膜輪部上皮移植が14件、培養口腔粘膜上皮移植が10件であった。角膜輪部上皮の培養は全例良好な上皮シートが得られた。口腔粘膜の培養では採取した口腔粘膜組織の状態が悪かったために手術を断念した1症例があったが、その他の10症例では問題なく手術が施行されている。以上の結果より、まだ、培養方法に改善の余地はあるものの、全体的に安定した各種培養上皮シートの臨床応用が行われており、その作製法は確立できたものと考えられる。なお、当初、球結膜嚢付近から採取した結膜上皮を用いた培養結膜上皮シート作製法の確立を研究目的としてあげていたが、臨床的に培養結膜上皮移植の適応となる症例がほとんどないことから、培養角膜輪部上皮移植および培養口腔粘膜上皮移植の2つを中心に検討することとした。培養角膜輪部上皮移植は全例角膜上へ移植しているが、培養口腔粘膜上皮移植では角膜上への移植だけでなく、瞼球癒着解除目的で球・瞼結膜へ移植している症例もあった。培養口腔粘膜上皮移植の場合、自家移植ではあるが異所移植であるため移植した細胞が生存しているのかをインプレッションサイトロジー法を用いて検討を行い、口腔粘膜上皮が術後1年経過しても眼表面上に存在することが確認できた。また、移植後、安定した眼表面の再建が得られて時点で施行したフルオレセイン色素を用いた透過性試験では、検査の対象となった全例で角膜上皮移植後のそれと比較して非常に高い色素の透過性亢進を認めた。培養上皮シート移植後に二期的に角膜移植を施行した症例も増えてきている。現在、手術後に摘出される角膜組織片のケラチン、connexin43、p63、ABCG2など分化マーカーの免疫染色を行い、培養細胞の分化程度の評価を行っている。
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