2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫増殖におけるHedgehogシグナル伝達系の関与の解析
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17791273
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 由紀子 九州大学, 大学院・医学研究院, 共同研究員 (80380442)
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Keywords | 神経芽腫 / Hedgehog / MYCN |
Research Abstract |
Hedgehogシグナル伝達系の異常は種々の発癌に関与することが知られており、また、この経路の標的遺伝子のひとつがMYCNであることが判明している。神経芽腫において、MYCN遺伝子増幅はもっとも強力な予後不良マーカーであるが、腫瘍の発生、悪性度に関与する機序は解明されていない。 神経芽腫増殖とHedgehogシグナル伝達系との関与を調べるために、Hedgehog経路の因子であるGli1のプライマーをつくり、神経芽腫臨床検体および細胞株におけるGli1の発現をRT-PCRにて解析した。 ほとんどの神経芽腫臨床検体において、Gli1は低発現であり、高発現が認められたのは、MYCN増幅のある症例の検体であった。また、細胞株においては、複数の株で高発現が認められたが、MYCNの増幅の有無および、MYCN発現の程度との相関は認められなかった。 これらの結果より、神経芽腫におけるGli1とMYCNとの明らかな相関は不明であるが、増殖の盛んな腫瘍または細胞においてGli1の発現が認められる傾向があり、今後更なる解析および、他の因子との関連性の調査を行っていく。
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