2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管系腫瘍(苺状血管腫・血管肉腫)の発病進展に関与する血管新生因子及び遺伝子変異
Project/Area Number |
17791275
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
森田 礼時 金沢医科大学, 医学部, 助手 (00350778)
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Keywords | 苺状血管腫 / 血管肉腫 / 血管新生因子 |
Research Abstract |
本研究では、血管系腫瘍の病変部における血管新生因子群の発現をRT-PCR法および免疫組織学的手技で解析すると同時に、血管系腫瘍患者の血清中の血管新生因子群の発現をELISA法で測定することにより、血管系腫瘍の発病と進展に関与する血管新生因子を明らかにする。 また血管系腫瘍の病変部を対象としてマイクロサテライト多型マーカーを用いたLOH分析を行い、血管系腫瘍の発病に関与する遺伝子の染色体上の局在を推定するとともに、血管新生に関与し血管奇形においても異常が指摘されているTIE2遺伝子について検討し、血管系腫瘍の発病に重要な役割を演ずる遺伝子の異常を明らかにする 平成17年度 【血管新生因子の発現に関する解析】 【対象と方法】 苺状血管腫5例、血管肉腫9例を対象とし、真皮血管組織を正常コントロールとした。 (1)RNAの抽出:パラフィン切片または凍結切片からマイクロダイセクションにより病変組織と隣接する正常組織を分離し、AGPC法によりRNAを描出し、cDNAを作成した。 (2)RT-PCR法:病変組織における血管新生因子(TIE2、Angiopoietin1、Angiopoietin2、VEGF)のmRNAレベルにおける発現を定量化した。 (3)免疫組織化学的検討:免疫組織化学染色により血管新生因子(TIE2、Angiopoietin1、Angiopoietin2、VEGF)の蛋白レベルでの発現様式の検討を行なった. 【結果】 正常組織と比較して血管系腫瘍ではAngiopoietin2の発現量が高かった。また免疫組織化学的にAngiopoietin2の発現の増強が認められた。 【考察】 血管系腫瘍においては、Angiopoietin2が腫瘍形成に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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