2005 Fiscal Year Annual Research Report
播種性血管内凝固症候群における新規線溶阻止因子TAFIの意義
Project/Area Number |
17791289
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
御舘 靖雄 金沢大学, 医学部附属病院, 医員 (80377382)
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Keywords | DIC / TAFI |
Research Abstract |
播種性血管内凝固症候群(DIC)のモデルは、生体(ラット)にLPSまたは組織因子(TF)を投与することによって作成されるが、使用するDIC惹起物質によって大きな病態の差異が見られる。LPSモデルでは線溶抑制状態が強いため、生じた微小血栓による微小循環障害から臓器障害が主体になるが、TFモデルでは線溶活性化が強くみられることで臓器障害は軽度で出血症状が顕著になる。今回、両DICモデルについて、(1)Thrombin-activatable fibrinolysis inhibitor(TAFI)の血中動態、(2)外因性TAFIaの投与によるDIC病態への影響、(3)TAFIa阻害剤のDIC病態への影響についてそれぞれ検討した。 まず、ラットに対してTF 3.75単位/kg/4hrないしLPS 5mg/kg/4hrを持続点滴して2種類のDICモデルを作成し、投与開始時,4,8,12時間に各種マーカーを検討した。その結果、血小板数は両群とも低下、フィブリノゲンは両群とも減少、DDはLPSモデルで軽度上昇しTFモデルでは著明に上昇、TATは両群とも著増、クレアチニンやALTはLPSモデルでは経時的に上昇しTFモデルでは上昇なし、腎糸球体フィブリン沈着はLPSモデルで高度、血中サイトカイン(TNF&IL-6)はLPSモデルで著増しTFモデルで変動なし、HMGB-1はLPS群で有意に上昇した。 以上から、LPSモデルでは臨床の凝固優位(線溶抑制)型DIC(敗血症DIC)に、TFモデルでは臨床の線溶優位型DIC(急性白血病DIC)に近い病態と考えられた。 さらに、両DICモデルで、TAFI(ELISA)およびTAFIa(発色合成基質法)の血中濃度につき経時的に変化を追跡したが、両群間ともに経時的変動はなく有意差もみられなかった。 なお、TAFIaおよびTAFIa阻害剤投与の影響については現在検討中である。
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Research Products
(6 results)