2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791295
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平井 喜幸 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40344519)
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Keywords | 歯学 / 細胞・組織 / 発生・分化 |
Research Abstract |
ほ乳類において歯は体内の器官の中でも形状や位置に関する特異性が特に高い器官である。たとえば、げっ歯類切歯ではエナメル質は唇側にしか観察できない。本研究では歯の形状と空間的位置の関係を明らかにすることを目的にラット胎児より背側組織を含む下顎組織を取り出して、器官培養を行なった。さらに、パターン形成分子の1つであるWntの発現パターンが発生段階に応じてどのように変化するかを観察するために、Wntプローブの作成を試みた。胚期9日齢から14日齢までのラット胎児より取り出した下顎組織では、1週間培養可能であったが、胚期16日齢のラット胎児から取り出した下顎組織では、取り出した下顎が大きく4日間ほどしか培養できなかった。Wntプローブを作成するためにラット胎児より抽出したRNAをテンプレートに用いてRT-PCRを行ない、Wnt cDNAライブラリーの作成中である。また、歯特異的なエナメル質の形成を担うエナメル芽細胞の分化過程にもNotchなどのパターン形成分子が発現していることが明らかになったが、エナメル芽細胞分化にWntやNotchなどのパターン形成分子がどのようにかかわっているかは明らかになっていない。パターン分子の作用を調べるためには細胞培養株の樹立が必要不可欠であるが、現在のところエナメル芽細胞の一次培養からの細胞培養株の樹立には至っていない。そこで、エナメル芽細胞にテロメアーゼ遺伝子をトランスフェクションすることによって、エナメル芽細胞の細胞培養株化を試みた。生後7日目のラットから取り出した下顎切歯からエナメル芽細胞を単離し、テロメアーゼ遺伝子を導入した。ネオマイシンによってテロメアーゼ遺伝子が導入された細胞だけを選抜した。現在、選抜した細胞から限界希釈法によりクローンを作成中である。
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