2005 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌における細胞分裂制御遺伝子の発現解析
Project/Area Number |
17791311
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山本 剛 昭和大学, 歯学部, 助手 (80384189)
|
Keywords | RAD21 / レーザーマイクロダイセクション / 口腔扁平上皮癌 / 細胞分化 / 浸潤 |
Research Abstract |
我々は組織切片上微小細胞からの蛋白質の発現を解析する新しい手法として、レーザーマイクロダイセクション法により回収した少量の標的細胞からウエスタンブロットを行う手法を試みた。最初にレーザーによる回収法、バッファーの組成、各種エンハンサー試薬、検出の条件に関して様々な検討を行った。その結果、レーザーによって粉砕した組織切片を比較的マイルドな成分のバッファーに溶解する手法が効果的であることが分かった。また、各種エンハンサーを利用し、発色を短時間でデジタル撮影する手法が有効であった。そこで、この手法を用いて口腔粘膜上皮及び口腔扁平上皮癌におけるRAD21蛋白の発現を検索した。以前の研究でRAD21の遺伝子発現量が癌の浸潤様式の悪性化に伴って低下しているという結果を得ていたが、その結果をさらに症例数を増やして検討し、培養細胞を用いた実験で検証した。その結果、浸潤様式の悪性化とRAD21遺伝子発現量の減少が密接に関係があることが示唆された(Virchows Archiveに報告)。ウエスタンブロットにおいても同様の結果が得られ、またINFαの浸潤様式を示す部位に80KDの分解産物が検出された。INFαの浸潤様式を示す癌は比較的高分化型の癌が多いことから、正常上皮、過角化症、異型上皮より基底層、棘細胞層下層、棘細胞層より上層の細胞を回収しウエスタンブロットを行った所、過角化症、異型上皮の上層部において80KDの分解産物が検出された。この結果より、RAD21蛋白の80KDの分解産物が粘膜上皮の分化と関連する可能性が示唆された。
|