2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病関連細菌Porphyromonasgingivalisの線毛制御機構
Project/Area Number |
17791318
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
西山 宗一郎 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (30343651)
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Keywords | 歯周炎 / 細菌 / 線毛 / 付着 / 凝集 / 病原因子 / 偏性嫌気性菌 / 歯周病 |
Research Abstract |
歯周病関連細菌Porphyromonas gingivalisの線毛は,宿主細胞への付着や自己凝集,他細菌との共凝集に関与する.本研究では,線毛遺伝子fimAの下流に存在するORF1〜4の機能と,温度による線毛発現制御機構の解明を目指している.今年度は以下の研究を行った. 1).線毛関連遺伝子ORF4(PG2136)・ORF1(PG2133)の解析 上述のORF4をクローン化し,大腸菌での大量発現と精製を行った.次にこれを用いてウサギからORF4抗血清を得た.またORF1,ORF4の変異株をそれぞれ作製した.これでfimA,ORF1〜4の変異株及び抗血清が全て揃ったので,一連の解析を行った.全培養液では線毛タンパク量は全てのORF変異株で野生株の80%程度であった.一方,菌体成分ではORF2〜4変異株では野生型の50%程度まで減少していた.微量成分が欠けることで線毛が物理的に不安定になり,培養上清中に放出されやすくなっている可能性が考えられる.ORF2〜4の抗血清を用いたWesten blotting及びRT-PCRの結果から,各ORFの不活性化で下流のORFの発現も阻害されること,ORF2〜4がオペロンを形成している可能性が示唆された.次に,病原性と相関があるとされている自己凝集能を調べた.その結果,ORF2〜4変異株は自己凝集能をほぼ完全に失っていることが明らかとなった.一方,ORF1欠損株は野生型とほぼ同様の自己凝集能を示した.今後,線毛と相互作用するとされている種々のタンパク質について,各変異株を用いて解析を続ける予定である. 2).線毛の温度非感受性株の単離と解析 本研究では39℃以上でも構成的に線毛を発現する変異株の単離を目指している.本年度はまず既存の線毛変異株スクリーニング系が高温条件でも有効かどうかを検討したが,この条件での判別は困難であった.今後異なる培地を使うなど,改良を計画している.
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