2005 Fiscal Year Annual Research Report
改変型自殺遺伝子Baxを用いた抗癌剤の感受性を強化する新しいシステム
Project/Area Number |
17791333
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
飛梅 圭 日本医科大学, 老人病研究所, 講師 (40350037)
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Keywords | アポトーシス / シグナル伝達 |
Research Abstract |
自殺遺伝子Bax産物はミトコンドリア移行と高分子量複合体の形成によりアポトーシスを正に制御することが知られている。 申請者は培養細胞に改変型自殺遺伝子Bax(YFP-GyrB-Bax)を遺伝子導入することにより、抗生物質クママイシン添加時のみにおいて、抗癌剤によるアポトーシス感受性を飛躍的に高めるシステムを開発した。 本システムでは、クママイシン添加により細胞質に常在するYFP-GyrB-Baxが、細胞に障害を与えずにミトコンドリアに移行する。このため、低濃度の抗癌剤(内在性BaxおよびYFP-GyrB-Baxがミトコンドリア移行せずアポトーシスを誘導できない)でも、クママイシン添加によりYFP-GyrB-Baxがミトコンドリア移行した細胞のみが選択的にアポトーシスにより除去される。 本計画ではこの独創的なYFP-GyrB-Baxシステムを用いて、Baxのミトコンドリア移行およびBaxの高分子量複合体の形成の分子機構を解明することを目的としている。 平成17年度は、Bax遺伝子に様々な欠失変異を導入したYFP-GyrB-Baxシステムを用いてBaxのミトコンドリア移行の分子機構を解析し、以下の知見を得た。 1 Baxのミトコンドリア移行は従来膜貫通領域と考えられたC末端には依存しない。 2 Baxのミトコンドリア移行はN末端の構造変化に依存する。 3 Baxに結合することによりN末端の構造変化を阻害する因子が細胞質に存在することを架橋試薬を用い証明した。
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Research Products
(1 results)