2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト骨芽細胞の恒常性維持におけるK^+チャネル応答機構の解析
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17791337
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
蛭川 幸史 Aichi Gakuin University, 歯学部, 非常勤助教 (60340147)
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Keywords | 骨芽細胞 / K^+チャネル / パッチクランプ法 / ATP / 細胞内Ca^<2+>濃度 / IKチャネル / BKチャネル |
Research Abstract |
ヒト骨肉腫由来の市販細胞(MG-63、 HOS、 SaOS-2細胞)およびヒト由来の骨芽細胞(SaM-1細胞)において、 Ca^<2+>依存性K^+チャネル(BK, IK, SK1, SK2, SK3チャネル)のmRNA発現をRT-PCR法にて確認したところ、すべての細胞においてBKチャネルmRNAの発現が認められた。一方、IKはSaM-1、 MG-63およびSaOS-2細胞に、SK1はSaOS-2およびHOS細胞に、SK2はHOS細胞に、SK3はMG-63、 SaOS-2およびHOS細胞に認められた。 また、定量的PCR法(Rea1-Time PCR法)において、ヒト骨肉腫およびSaM-1細胞に存在するBKチャネルは、チャネルを構成する主な構成成分であるBKαサブユニットは多量に存在するが、BKβサブユニット発現はほとんど認められないことを確認した。また、パッチクランプ法のシングルチャネル解析より、SaM-1細胞には電気生理学的にCa^<2+>依存性のK^+チャネルが2種類存在することを同定し、コンダクタンス値、Ca^<2+>依存性、電位依存性の有無よりこれら2種類のK^+チャネルが、BKチャネルとIKチャネルである可能性を強く示唆した。さらに、細胞外ATPの添加によりSaM-1細胞の細胞内Ca2+濃度上昇が主にP2Y受容体を介することを我々はすでに報告しているが、パッチクランプ法のホールセルクランプにおける開口薬と遮断薬を用いた検討により、BKおよびIKチャネルが薬理学的にも存在し、ATP添加による細胞内Ca2+濃度上昇に伴う脱分極が、charybdotoxinやclotrimazoleにより抑制されたことから、ヒト骨芽細胞における受容体を介したIKチャネルの活性化の可能性を示した。
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Research Products
(1 results)