2005 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内走査超音波画像および組織像の定量化による舌癌浸潤様式の解析
Project/Area Number |
17791340
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
筑井 徹 九州大学, 大学病院, 講師 (10295090)
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Keywords | 舌癌 / 超音波 / 浸潤様式 / フラクタル / 転移 / 再発 |
Research Abstract |
定性評価として、舌癌切除症例に関して、口腔内超音波像と浸潤様式(YK分類)の相関を解析した。その結果、YK分類の1、2、3に関しては90%が表層型、舟底型に分類された。4c、4dに関しては、(表層型+舟底型)と楔型に各々ほぼ半数であった。また舌癌組織内照射症例に関しては、再発率および後発転移率との相関を解析した。その結果、楔状型は、表層型および舟底型にたいし、再発率の高い事が解った。一方、楔状型、表層型、舟底型といったパターン分類と後発転移率との明らかな相関はみとめなかったものの、辺縁における鋸歯状の凹凸の有無に注目すると凹凸のあるものが、ないものに比較し、後発転移率が高い事が解った。このことより、辺縁形態および辺縁複雑度を解析する事が舌癌の臨床的悪性度を判断する為に重要であると考えられた。 半定量的な解析として、自動的(一部の症例は、手動のトレース)によって腫瘍の概形を抽出した。最深部にて腫瘍と判定された領域と腫瘍外の深部正常組織と判断される領域を各々50%、50%となるように関心領域(ROI)を設定した。その上で、ROIのpixel値をfractal Brownian motion model(fBM model)解析し、Hurst指数を算定した。その結果、Hurst指数は、YK分類2の時、0.426±0.102、YK分類3の時、0.443±0.102となり、YK分類4の0.336±0.126に比較し有為に高い結果となった。この事より、浸潤様式の不良なものが、Hurst指数が小さく、複雑なpixel値の分布をとる事が解った。今後は、概形のトレース方法の改善を試み、トレースしたラインにそってfBM model解析をする予定である。
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