2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝の神経性調節機構-感覚神経・交感神経・副交感神経の関わりについて-
Project/Area Number |
17791349
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野寺 大 東北大学, 病院, 助手 (80312594)
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Keywords | 骨代謝 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 神経ペプチド / 神経ホルモン / 交感神経 / 副交感神経 / 感覚神経像 |
Research Abstract |
骨格系の統合性は、軟骨細胞による成長・骨新生、及び骨芽細胞・破骨細胞が営む骨再構築により維持されている。近年、これらの細胞の機能・分化の調節因子が分子レベルで次々と同定され骨格系の制御に関する理解は飛躍的に進歩した。しかしながら、それらの骨組織に感覚神経や自律神経などの神経が関与しているにもかかわらず、神経系が骨代謝に及ぼす影響に関する報告は殆どない。近年、臨床報告として神経障害の患者においてその支配領域に骨減少症(osteopenia)、骨の脆弱(bone fragility)、あるいは逆に過剰な化骨形成を認めることが示された。さらに、組織化学的検索により、骨を支配する神経が神経ホルモンであるnoradrenarine (NA)とacetylcholine (Ach)及び神経ペプチドであるneuropeptide Y (NPY), vasoactive intestinal peptiode (VIP), calcitonin gene-related peptide (CGRP), substance P (SP)等を含有すること(1986年)が報告された。また骨膜由来骨芽細胞株のRT-PCR解析によってNA,NPY,VIP,CGRPのレセプターも確認された(1997年)ことから,骨代謝の神経性調節機構の存在が示唆されはじめた。 本実験では、細胞株RAW264.7およびラット骨髄細胞から分化した破骨細胞において、NAおよびそのレセプター発現についてRT-PCR解析により検討した。その結果、破骨細胞においてAdrenergic receptor (α1B,α2B,β2B)の強発現がみられた。今後、NPY,VIP,CGRPについても検討する予定である。
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