2006 Fiscal Year Annual Research Report
う触検知液に代わる可視光線照射型口腔内カメラを利用したう触検知システムの開発
Project/Area Number |
17791351
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岸川 隆蔵 東京医科歯科大学, 大学院歯学総合研究科, 助手 (50376745)
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Keywords | う蝕 / 口腔内カメラ / 可視光線 / う蝕検知液 |
Research Abstract |
本研究の目的は、第一に「AF発生領域を1つの目安とし、除去すべきう蝕歯質領域を同定し、領域同定の方法を確立する」ことにある。科学研究費の交付を希望する3年間にこの同定と確立を目標とする。さらに、臨床に応用するため、「その領域を同定できる可視光線を用いた口腔内カメラを開発し、臨床における新しいう蝕除去システムの開発を行う」事が第二の目標である。 まず青色光を使用した口腔内カメラ(Pen scope, J-Morita, Japan)を用いて32歳の成人男性の口腔内をPMTC前とPMTC後において撮影し、画像を評価した。 PMTC前の歯石およびプラークはペンスコープの青色光により発光し明るい赤色を示す像が観察された。また陶材焼付け冠やレジンなど直視と比較してその素材の判別が容易になった。特定波長の可視光線においてプラークおよび歯石から蛍光放射光(AF : auto-fluorescence)が発生することが確認された。その詳細は検討が必要である。次にC1-C2程度の急性う蝕をもつ人抜去歯を用い、う蝕除去前、除去後の画像をう蝕検知液(Caries Detector, KURARAY, Japan)を用いた診断と比較して検討した。 人抜去歯の着色および付着物をブラシコーンにて除去後半切した。この青色光を使用した口腔内カメラのAF発生領域を指標にして、スチールバーにてう蝕除去を行なった。歯質にあまり着色を示さない急性う蝕は赤色蛍光の発色を観察できたが、う蝕検知液におけるう蝕診断とは正確には一致しなかった。この結果はAF発生領域とう蝕検知液の示す除去すべきう蝕の範囲は異なるということである。慢性う蝕においても引き続き同様に比較を行う予定である。またカメラにおいても検討および改良が必要であることが考えられるため、引き続き検討する方向である。
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