2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体親和性修復材料開発のための天然歯隣接面の生理的磨耗と咬合力に関する研究
Project/Area Number |
17791353
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石崎 裕子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (60303161)
|
Keywords | カリエスフリー / エナメル質 / 生理的摩耗 / 隣接面摩耗 / 咬合力 / デンタルプレスケール / オクルーザー |
Research Abstract |
歯冠修復物は天然歯と同じ量で咬耗磨耗していくことが理想と考えられ、そのためには天然歯の生理的な磨耗量を知ることは不可欠である。本研究の目的は、エナメル質の咬耗磨耗と調和する歯冠修復材の開発をめざすための基礎データを得るために、ウ蝕未経験者の天然歯列におけるエナメル質の咬耗量と隣接面磨耗量を測定して生理的な磨耗量を明らかにし、さらに咬合力との関係を調査することである。 新潟大学新入生歯科検診において、ウ蝕未経験者と診断された学生を19名選定し、選定した学生に研究の主旨説明を行ない、同意を得て協力を依頼し、天然歯列における咬耗量を測定し咬合力との関係について3年間にわたり調査したところ、咬耗量および咬合力は個人差が大きく、両者の間に正の相関関係があった。また、19〜24歳の若者では、調査した3年の期間においては咬耗量が経時的に直線的に増加する傾向があった。さらに当初の3年以降にも同意を得られた被験者4名に協力を依頼し、ベースラインから7〜11年後における接触滑走面の咬耗量を測定し、咬合力および咬合接触面積との関係を調査した。4名の咬合力は381N〜850Nであり、咬合接触面積は概ね経時的に増加傾向であった。4名の咬耗量はそれぞれ110〜225μm(7年)、200〜350μm(9年)、150〜325μm(10年)、160〜315μm(11年)であり、年間平均咬耗量はそれぞれ16〜32μm、22〜39m、15〜33μm、15〜29mと推定された。この被験者4名では,咬合力の大きさに関係なく接触滑走面の年間咬耗量は15〜39μmであった。隣接面磨耗については、直径1mmのスチールボールと万能投影機を用いた薪たな測定方法を開発し、現在測定を行なっている。
|