2006 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質の物性とMMP、TIMPとの相関性に関する研究
Project/Area Number |
17791367
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
伊藤 修一 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (50382495)
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Keywords | 歯学 / 酵素 / 物性実験 / 生体材料 |
Research Abstract |
象牙質接着におけるMMR,TIMPの影響 象牙質においてMMPに代表されるコラゲナーゼの存在が明らかになっている。これらは、象牙質の経時的な物性の変化、あるいは接着界面の変化に大きな影響を及ぼすと考えられている。そこで本研究の目的として,象牙質接着システムにおいてコラゲナーゼの影響を微小引っ張り接着強さの測定を用いて調べた.試料は55本のヒト抜去大臼歯を用いた.ワンステップ接着システムとしてiBond (iB, Heraeus Kulzer),トータルエッチングシステムとしてOne Step Plus (OSP, Bisco)を用い,メーカーの指示どおりに象牙質に塗布した.OSPは,エッチングを15秒あるいは60秒処理した後,ボンディング材を塗布した.24時間後,試料断面が0.9mm^2になるように調製し,1,14,30日間0.006%のコラゲナーゼ溶液,またはリン酸緩衝溶液(コントロール溶液)(37℃)に浸漬し,微小引っ張り接着強さの測定を行った.OSPのコラゲナーゼ溶液浸漬30日後の接着強さは,コントロール溶液浸漬と比較して15秒エッチングでは接着強さに有意な差は認められないものの,60秒エッチングでは有意に低くなった.iBにおいては,コントロール溶液浸漬群とコラゲナーゼ浸漬群の接着強さに有意差は認められなかった. 本研究の結果から,コラゲナーゼ溶液浸漬はオーバーエッチングしたOSPの接着強さに影響を与えることが明らかになった.これにより象牙質接着界面においてMMPを代表とする象牙質に含有されるコラゲナーゼが象牙質の物性の変化、接着界面の耐久性に大きな影響を及ぼすことが示唆された。
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Research Products
(5 results)