2005 Fiscal Year Annual Research Report
バイオフィルムを破壊するイオン導入法の開発を目指して
Project/Area Number |
17791368
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
中村 裕子 明海大学, 歯学部, 助手 (50265360)
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Keywords | バイオフィルム / 抗菌活性 / イオン導入法 |
Research Abstract |
本研究では、難治性根尖性歯周炎との関わりが示唆されている細菌が形成するバイオフィルムに対する各種抗菌剤の抗菌活性およびイオン導入法で使用する通電効果を検討することを目的とした。 1)バイオフィルム形成能の評価:被験細菌として難治性根尖性歯周炎の病巣部から検出されており、バイオフィルム形成能を有するとされるEnterococcous faecalis(E.F)(菌株740,386および415)を用いた。各菌株を希釈調整し、培養シャーレに播種した。培地には、Tryptic soy broth, SDMおよびBHI培地を用いた。好気または嫌気条件下で培養後、シャーレを洗浄した後にシャーレ底面に付着した形成物をバイオフィルムと想定した。各菌群のバイオフィルム形成能を培地の種類、培養条件を変えて検討した。菌株の種類および培養条件によりバイオフィルム形成能は異なり、E.F.740のバイオフィルム形成能が最も強かった。培地の種類によるバイオフィルム形成の比較から、Tryptic soy brothを使用した際にもっとも強いバイオフィルム形成を示した。 2)抗菌剤の殺菌効果:24時間培養後のバイオフィルム形成菌に対し、各種抗菌剤を数分間、単回から数回にわたって作用させ、処置後のバイオフィルムを寒天培地に移してコロニー数を算出した。また、バイオフィルムを染色し、共焦点レーザー顕微鏡と解析ソフトにより生菌と死菌数を定量した。抗菌剤には、フッ化ジアンミン銀溶液、ヨード・ヨード亜鉛溶液、ホルマリン製剤、次亜鉛素酸ナトリウムおよび抗生剤を用いた。次亜鉛素酸ナトリウムは最も強いバイオフィルム除去能力を示した。また、バイオフィルムは残存していても、バイオフィルム内の菌は殺菌されているものも認められた。 3)通電による殺菌効果:上記同様に細菌バイオフィルムに対して通電処置を行った。通電に使用する電極線として、金、ステンレス、ニッケルチタンおよびチタンを用いた。金電極による通電時は、バイオフィルム内の菌を有意に効率的に殺菌した。
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Research Products
(2 results)