2005 Fiscal Year Annual Research Report
2波長発振レーザー照射後の組織は、どのような治癒形態をたどるのか?
Project/Area Number |
17791369
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
天谷 哲也 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (20328264)
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Keywords | レーザー |
Research Abstract |
今回研究に用いる試作レーザー発振装置(Dual Wave Length Laser Equipment with Optical Parametric Oscillator)はNd:YAGより若干長い波長の1.4μmからEr:YAGの波長域を超える4.0μmの範囲において波長を連続的に変えて出力することができ,また異なる2つの波長域のレーザを取り出すことが可能である.この装置で発生する近赤外領域の両波長を至適条件で使用することにより,波長2.94μm付近の安全な切開能力に加え、副波長としての新機能を一度に得ることが可能である。本研究では軟組織切開後の治癒促進効果に有効な照射条件を検討する。被験動物には、生後1年以上経過した雌雄の免疫成犬3頭を用いた。これらの成犬に対し全身麻酔を施した後、試作レーザー発振装置に先端直径400μmのコンタクトチップ(C400F:(株)モリタ製作所:京都)を装着し、歯肉切除を行った。照射条件を、2.94μmと1.67μmの混合比率を変化させ以下の条件を設定し歯の周囲の歯肉を切除した。また、コントロールとして、尖刃刀メスと電気メスを採用した。なお、本研究は東京歯科大学動物実験指針に基づき行った。3μm帯と2μm帯の同時照射は混合比率にかかわらず、3μm帯の単一照射時の切開能に加え、2μm帯の単一照射時の止血効果が術中に確認できた。2μm帯を含む群の術直後には、切開面直下に凝固したと思われる層が僅かに観察された。また、7日,28日後には、従来法と比較し同程度の治癒形態が観察された。3μm帯と2μm帯の同時照射による歯肉切除は,歯および歯周組織に与える炎症性変化は極軽微であり、2.94μmの軟組織切開能と1.67μmの止血効果を同時に得ることができ、且つ従来の方法に比べ治癒が同程度であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)