2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791373
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
風間 龍之輔 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助手 (50387429)
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Keywords | ジルコニア / CAD / CAM / 接着 / 辺縁封鎖性 / レジンセメント |
Research Abstract |
本研究では種類の異なるレジンセメントにより接着されたジルコニアクラウンコーピングの辺縁封鎖性を検討した。 40本の大臼歯にクラウン支台形成を行った。支台辺縁は全周1mm幅のButt Shoulderとし、CEJより1mm上方に設定した。支台はCEREC inEosスキャナーにより形状計測を行った後に、CEREC inLabシステムにてジルコニアブロックを切削加工し、クラウンコーピングを製作した。専用陶材により解剖学的歯冠形態を再現した後、修復物の内面を50μmアルミナ粒子にて4気圧でサンドブラスト処理後、超音波洗浄を施した。次いでPanavia F2.0 (Kuraray)(以下PA)、Superbond C&B (Sunmedical)(以下SB)、およびMaxcem (Kerr)(以下MC)を用いてそれぞれ10個の支台にメーカー指示通りに接着した。また、対照群として10個のコーピングをリン酸亜鉛セメント(Elite Cement 100, GC)(以下ZP)にて合着した。すべての試料は0.2%塩基性フクシン水溶液浸漬下で1.3kg,毎分98回、24時間の条件で、修復歯咬合面に約14万回の繰り返し荷重を加えた。次いで半切し、近遠心辺縁部の歯質/セメント界面およびセメント/セラミック界面にて色素浸入深さを以下のスコアにより評価した(0:色素侵入を認めない、1:辺縁エナメル質に限局した色素浸入を認める、2:辺縁象牙質に及ぶ色素浸入を認める、3:軸側壁象牙質に及ぶ色素浸入を認める)。得られたデータはKruskal WallisおよびMann-Whitney U検定により比較した(α=0.05)。 歯質/セメント界面では、すべてのセメント群において色素侵入を認め、特にZP群およびSB群では軸側壁象牙質に及ぶ色素侵入を認めた。SB群(p=0.0423)およびPA群(p=0.0039)はZP群と比較して有意に小さい色素侵入度を示し、特にPA群のみ色素侵入は辺縁部エナメル質に限局していた。一方、セメント/セラミック界面においてはZP群およびSB群では軸側壁象牙質相当部に及ぶ色素侵入を認めたが、MC群では色素侵入は辺縁部象牙質内に限局していた。また、PA群のみ色素侵入を認めなかった(p<0.0047)。本実験の結果から、Panavia F2.0が最も良好な辺縁封鎖性を示した。
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