2005 Fiscal Year Annual Research Report
Tannerella forsythensisにおけるバイオフィルム形成能の分析
Project/Area Number |
17791374
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
樋口 直也 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10329609)
|
Keywords | Tannerella forsythensis / バイオフィルム / S-layer |
Research Abstract |
今年度は、Tannerella forsythensis標準株、およびsuface layer(以下S-layer)欠損変異株を液体培地にて嫌気培養し、バイオフィルムの作製を試み、バイオフィルムの観察を行う予定であった。しかし、本菌の液体培養のポイントである製品Fildes Extract(Oxoid Company, hampshire, England)が突然生産中止となったため、代替製品(成分)ウサギ血液を用いて液体培養を試みた。培地にはBrucella Broth (Becton Dickinson and Company, NJ, USA)を用い、0.01%ジチオスレイトール、2.5μg/mlヘミン、5μg/mlメナジオン、10μg/ml N-アセチルムラミン酸に、様々な濃度のウサギ血液を添加し使用した。培養曲線を作製したところ、ウサギ血液でも5%程度液体培地に添加すれば、標準株も変異株も辛うじて培養可能であり、培養日数は4〜6日間でフルグロースとなることが分かった。そこで、電子顕微鏡用試料作成するため、両菌を、キャリアとしての根管充填用ガッタパーチャポイントとともに、液体培地で嫌気的に5日間、培養した。通法通り、4%パラホルムアルデヒドと5%グルタルアルデヒドの混合液(カコジル酸緩衝液使用)で120分間の前固定後、4%オスミウムで90分間の後固定を行った。上昇エタノール系列により脱水し、ブタノールを用いて凍結乾燥した。金蒸着後、走査型電子顕微鏡で観察した。しかし、バイオフィルムの形成は認められなかった。成熟にさらなる期間が必要である可能性が考えられたため、培養日数を8日間にして再度行ったが、結果はほぼ同様であった。現在、より良い培養条件を得るため実験中であり、キャリアの変更なども視野に入れて検討中である。
|