2005 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内免疫機構を賦活する歯科補綴バイオマテリアルインターフェイス構築法を探る
Project/Area Number |
17791375
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小牧 健一朗 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40361109)
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Keywords | 歯科補綴 / 抗菌 / 自然免疫 / バイオマテリアル |
Research Abstract |
本研究では高齢者の心身賦活を促す歯科補綴治療法を確立することを根幹の目的とし、個々の条件に影響されず、ヒト生来備わっている口腔内免疫機構に基づく、補綴物(歯科材料)の抗菌効果と高齢者の免疫機構賦活効果を期待して、抗菌ペプチドを用い、(1)歯科材料への結合(吸着)検索性に優れた抗菌ペプチドライブラリーの製作を行い、(2)それを利用することによる樹脂(PMMA)、金(Au)、チタン(Ti)およびハイドロキシアパタイト(HA)表面への抗菌ペプチドの構築を確立し、(3)その評価を行う。初年度は歯科材料と結合するペプチドのセレクションを行った。その際に、当初の実験計画を再検討し、実験効率、信頼性の点から抗菌ペプチドライブラリーの作製を変更しPhage Display Peptide Library (NEB)を使用し実験をおこなう計画を立案した。またPhage Display Peptide Libraryの使用にあたっては、東北大学遺伝子組み換え実験計画承認を得て行った 今回は、PMMAについてペプチドセレクション実験を行った。その結果、PMMA結合ペプチドの候補となる、ペプチド提示ファージが数種セレクションされた。しかしながら、それらとペプチド非提示ファージ(M13KE)とのPMMAへの結合比較実験を行ったところ、有意な差が認められず、現段階ではPMMAと特異的な親和性を持つペプチドであることを明らかにできていない。 この結果はPMMAとファージタンパクの非特異的結合が問題となっているためと考えられ、今後、ペプチドのセレクションを行う際、PMMAとファージタンパクとの非特異的結合を最小に抑えるためのブロッキング条件、洗浄条件を細かく検討すること必要である、さらにPMMA表面の改質処理を行うことによる結合の特異性の向上についても検討し、実験を遂行していく。
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