2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791381
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
荒井 良明 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10301186)
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Keywords | 顎関節症 / 顎関節のあそび / 下顎頭運動 / 下顎運動 / クレンチング |
Research Abstract |
【背景】顎関節症への罹患しやすさに関する因子の解明の手がかりとして,顎関節のあそびを定量的に評価する事が急務である.そこで本研究の目的は,顎関節内障患者の顎関節のあそびを定量的に評価し,「顎関節内障患者の顎関節はあそびが大きい」という仮説を検証することとした. 【方法】コントロール群として実験の主旨を十分に説明した上で同意を得た,全身と咀嚼系に臨床的な異常を認めない健常成人6名(男性5名,女性1名,平均年齢35.8歳)を被験者とした. 被験者の顎関節のあそびの定量評価として,下顎頭の運動を6自由度下顎運動測定装置にて測定し,被験者個々の顆頭の前後的可動域をあそびとして方向と量に関して定量的に評価した.その際の筋活動も同時に測定し,関連する筋の有無の検索を行った.披験運動としては,患者群でも症状に影響がないと考えられる自力最大後方牽引と噛みしめを負荷した. 【結果】本年度は健常成人6名をコントロール群として測定した.健常者では,安静位から後退位により下顎頭は後退し,さらに咬みしめを加えることにより下顎頭はやや前上方に移動した.健常者の顎関節のあそび量は,後方に,平均1.36mm,前上方に0.75mmであった. 次年度に計画している,患者群を顎関節内障の進行度にともない復位性,被復位性,変形性顎関節症の3グループに分類し測定した結果と詳細な比較検討を行う上で,本年度の健常者群の実験によって,コントロールとしての有用な基礎データを得ることができた.
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