2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791384
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
太田 雅之 大阪大学, 歯学部附属病院, 研究員 (30397632)
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Keywords | 咬筋 / 筋電図 / 周波数解析 / 血流 |
Research Abstract |
【実験方法】咬筋に痛みの既往がない,健常者18名(男性9名,女性9名)に対し,負荷運動時における咬筋の表面筋電図および酸素飽和度を測定した。被験運動は25%,50%,75%MVCとし,咬筋内の血流は近歩外線分光計を用いて記録した.各収縮強度で得られた筋電図波形に対してスペクトル解析を行い,平均周波数(以下MPF)を算出し,被験者を収縮強度の変化に伴いMPFが変化する群(グループI)と,収縮強度が変化してもMPFが変化しない群(グループII)の2群に分け,両群の比較検討を行った.血流のパラメータは,酸素化ヘモグロビン(O2Hb),脱酸素化ヘモグロビン(HHb),組織ヘモグロビン指標,(nTHI),組織酸素飽和度指標(TOI)である. 【結果】グループIは9名(男性5名,女性4名),グループIIは9名(男性4名,女性5名)であった.すべての被験者において,収縮開始に伴いO2HbとHHbは減少したが,その後,O2Hbがさらに減少するのに対し,HHbは増加した.nTHIおよびTOIは減少した.すべてのパラメータにおける変化は,収縮強度の増加に伴い大きくなったが,その変化はグループIIで大きく,またTOIはすべてに収縮強度においてグループIはグループIIよりも高い値を示した. 【考察】グループIにおけるMPFの変化は,収縮強度の増加に伴う遅筋線維に有利に働く運動単位のsynchronization effectよるものと考えられ,そのため,グループIの咬筋は遅筋線維が豊富であると考えられる.グループIは遅筋線維の豊富な咬筋を持つ被験者群であり、収縮時においても高濃度の酸素飽和度が維持できることから,グループIがグループIIよりも収縮時において高いTOIの値を示したと考えられる.本実験の結果により,筋線維の違いが収縮時における酸素飽和度に影響を及ぼす可能性が示唆された.
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