2005 Fiscal Year Annual Research Report
高度吸収顎堤再生のための高齢者向け非細胞性骨造成法の開発
Project/Area Number |
17791390
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西村 正宏 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (00294570)
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Keywords | 再生医療 / 骨造成 / 骨増生 |
Research Abstract |
本年度は骨造成における生存した移植細胞の有効性を検討するために以下の研究を実施した。 ・EGFPトランスジェニックラットから骨髄由来の間葉系幹細胞(MSC)を採取し培養後、移植細胞として準備した。5mm四方のβ-TCPのブロックへ約20万個のMSCを播種し、通常培地にて培養後の複合体(β-TCP+MSC)、これを凍結乾燥した複合体(β-TCP+ECM)、さらに3週間骨誘導培地にて培養した後の複合体(β-TCP+骨化MSC)、これを凍結乾燥した複合体(β-TCP+骨化ECM)およびβ-TCPのみ(β-TCP)の合計5群を準備し、細胞を採取したラットと同腹のノントランスジェニックラットの背中皮下に移植した。移植3週間後に各複合体を含む組織を取り出し、固定、脱灰後、組織切片を作成した。HE染色及び抗GFP抗体による免疫染色を行った後、組織学的な検討を行った。 その結果、β-TCP+骨化MSC移植群でのみ、β-TCP周囲に新生骨の形成が認められた。また新生骨中の骨細胞様細胞は抗GFP抗体に陽性であったことから、形成された骨は移植した細胞由来のものであることが示された。血管形成能はβ-TCP+MSC>>β-TCP+ECM>β-TCP移植群の順に高かった。 結論:これまでの研究により,組織再生能力を促進し,骨を増生させるためには生きた状態で細胞を移植することが重要であることが示された.しかし、β-TCP+ECMでも血管新生が認められたことから、ECM中には血管誘導作用を示す物質が含まれており、骨形成にも有効に作用する可能性があることが示唆された。 -本内容は平成17年11月に開催された第25回日本口腔インプラント学会中国・四国支部学会で発表した- このようなデータの結果を踏まえ最終年度となる来年度はECMの組成や再現性の確認についてもさらに検討を進めたい。
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