2005 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化ペプチドを応用したチタンインプラントの生物学的表面改質
Project/Area Number |
17791391
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
竹内 真帆 広島大学, 病院, 医員 (00397944)
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Keywords | 表面改質 / インプラント / 純チタン / リン酸化ペプチド |
Research Abstract |
インプラントに負荷を与える時期は,オッセオインテグレーションが成立する埋入約3〜6ヵ月後とされているが,この期間を短縮し,早期にオッセオインテグレーションを成立させる患者側からの要求は強い.そこで,新しい分子生物学的視点からのインプラント表面改質がきわめて重要であるが,その基礎となるインプラント・骨界面の分子レベルの結合様相は明らかになっていない.本研究では,確実な早期骨芽細胞接着が可能となる生物学的表面改質法を新たに開発するために,リン酸化ペプチドの構造決定とその精製が可能であるかを検討した後,同ペプチドがチタン表面に結合するか否かを検討し,以下の結果を得た. 1.リン酸化ペプチドとして,RGDS(PO_3H_2)PAおよびRGDXXXXXS(PO_3H_2)PA (X=MiniPEG)の精製について検討したところ,前者の精製は可能であったが,後者はDXのシークエンスが非常に不安定で精製困難であった.そのため,後者のペプチドをRGDVXXXXXS(PO_3H_2)PA (X=MiniPEG)に変更したところ,精製可能であることが確認された. 2.前処理は,10N塩酸中にて30分間超音波洗浄後,超純水中にて30分間超音波洗浄を行った場合が最も効果的であった. 3.前処理後のチタン表面に対するリン酸化ペプチド(RGDS(PO_3H_2)PA,RGDVXXXXXS(PO_3H_2)PA (X=MiniPEG))の化学結合状態をX線光電子分光法(ESCA)にて分析したところ,チタン表面に結合していることが確認された. 現在,改質したチタン表面への骨芽細胞の初期接着能について検討している.
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