2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791392
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
是竹 克紀 広島大学, 大学院医歯薬学研究科, 助手 (50346508)
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Keywords | トルク値 / 口内法X線写真 / 骨質 |
Research Abstract |
インプラント治療での最近の大きなトピックスの1つは,治癒期間を短縮できる『即時負荷・早期負荷』であり,これにより早期からの患者のQOLの向上が達成される.この『即時負荷・早期負荷』のための必要条件は強固な初期固定にあり,共振周波数から得られるインプラント安定度指数(ISQ値)やインプラント埋入時のトルク値などにより,初期固定の程度を評価している.しかしながら,これらは術中でのみ可能なことであり,術前診査には用いることができない. 本研究の目的は,最もよく用いられている口内法X線写真の画像処理により,インプラント埋入予定部位に対する定量的骨質評価法を確立し,インプラント埋入前にインプラント埋入時の初期固定を予測できるシステムを開発することである. インプラント埋入時にOsseoCareシステム(Nobel Biocare, Sweden)を用いて,埋入時のトルク値を測定し,埋入前後の口内法X線写真を重ね合わせることでインプラント埋入部位を同定し,海綿骨の骨質の評価を行った.そして各関心領域のトルク値と口内法X線写真の画像解析から得た骨質との関係をピアソンの相関係数を用い,また,トルク値と評価パラメータ間の重回帰分析を行い,統計学的に検討した. トルク値と口内法X線写真の画像解析から得た骨質には有意な相関がみられた.また,重回帰分析からは,トルク値を予測する式が得られた.以上の結果より,口内法X線写真の画像解析から得られた評価パラメータを用いることで,インプラント埋入前に埋入トルク値を簡便かつ定量的に推定できる可能性が示唆された.
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