2005 Fiscal Year Annual Research Report
「ん」持続発音を応用した新しい垂直的顎間距離決定法の構築
Project/Area Number |
17791405
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
山本 裕信 明海大学, 歯学部, 助手 (60383204)
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Keywords | 持続発音 / 下顎位 / 咬合高径 / 「ん」音 |
Research Abstract |
咬合高径決定の指標となる基準的な下顎位を明らかにするために、「ん」持続発音時の下顎位の動態について検討を加えた。被験者は顎口腔系に異常を認めない個性正常咬合の成人(平均年齢27.4歳)20名とし、被検音は「ん」とした。また、日内日間変動については、被験者20名の中から3名を無作為に抽出し検討を加えた。計測時期は午前9時、午後1時、午後5時の1日3回とし、さらに、いずれか1つの時刻を定めて3日連続で計測を行った。咬頭嵌合位を基準位として、被検音を日常会話時の強さおよび高さで各4回、約4秒間持続発音させた。下顎位が基準位から変化し始めた時点を起始点とし、起始点から1秒間隔で4秒後までの4ポイントを計測点とした。記録は歯科用下顎運動測定器を用いて行った。記録された持続発音時のsweep波形上で、基準位と各計測ポイントとの垂直方向における距離を歯科用ノギスにて計測した。各ポイントについて、4回の計測により得た値の平均値を被験者ごとに算出したのち、20名の平均値を求めた。 得られたデータの分析により、1.「ん」持続発音時の下顎位は平均で0.4mmの開口量を示し咬頭嵌合位と極めて近接した値を示した。2.下顎安静位よりも有意に小さい値を示した。3.日内日間変動が少ない。という結果が得られた。 以上より、「ん」持続発音時の下顎位は咬頭嵌合位に近接するとともに、安定性の高い発音位であることが明らかになった。 上記の内容を第113回日本補綴歯科学会(平成17年5月14、大阪)にて発表した。 なお、今後は無歯顎患者を対象に本研究を行っていく予定である。
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