2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791410
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高場 雅之 昭和大学, 歯学部, 助手 (30384192)
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Keywords | 咬合接触 / 咀嚼運動 / 咬合力 / 切歯点 / 顆頭点 |
Research Abstract |
本研究では,咬頭嵌合位で軽く咬合した場合と強く咬合した場合の咬合接触状態を咬合印象法で記録し,第一大臼歯について咬合力による咬合接触面積の変化と咀嚼運動経路との関係について検討を行った.被験者は,顎口腔系機能に自覚的,他覚的に異常が認められない正常有歯顎者15名(男性8名,女性7名,平均年齢26.3歳)を用いた.咬合接触の記録は,咬合記録用個人トレーと付加型シリコーン印象材を用いた.記録時の咬合力は,10%MVC程度(軽く咬合した場合)と50%MVC程度(強く咬合した場合)とし,印象材が初期硬化するまで持続的に咬合力を維持させた.採得した咬合記録は,新谷らの方法にしたがって50μm以下の咬合接触面積を測定し,第一大臼歯の咬合接触面積を求めた.咀嚼運動は,軟化したガムを左右で片側ずつ咀嚼させ,ナソヘキサグラフ【○!R】(小野測器)を用いて記録し,経路の安定した10ストロークの左右第一大臼歯の運動経路を求め,パターンI(いわゆるチョッパータイプ),パターンII(いわゆるグラインディングタイプ),パターンIII(まっすぐ開口して作業側から閉口するタイプ)に分類した. 従来の報告通り,咬頭嵌合位において強く咬合することよって咬合接触面積は増加した.作業側,平衡側ともに軽く咬合した場合と強く咬合した場合の咬合接触面積は,咀嚼パターン間に有意差は認められなかった.また,作業側,平衡側第一大臼歯の強く咬合した場合と軽く咬合した場合の咬合接触面積,咬合力による面積の増加量および平衡側の面積の増加率は,パターン間で有意差はなかった.作業側の面積の増加率は,パターン間に有意差があり,Tukey-Kramerの多重比較の結果,パターンIIとパターンIIIに有意差があった.これは,咬頭嵌合位付近の接触離開様相の違いによって生じた咬合小面の大きさ,角度および方向の差によるものと考えられた. 今後,側方咬合位の咬合接触と咀嚼運動経路との関係についても検討している.
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