2005 Fiscal Year Annual Research Report
義歯床による機械刺激は上皮内機械受容細胞の形態を変化させるか?
Project/Area Number |
17791411
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
石崎 憲 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (70276963)
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Keywords | Merkel細動 / 持続的機械刺激 / アポトーシス |
Research Abstract |
口腔粘膜の中でも横口蓋ヒダ部は感覚が鋭敏であるとされている。本研究は、口蓋床による持続的機械刺激が横口蓋ヒダに極めて多く存在する感覚受容細胞であるメルケル細胞に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし行なった。対象として雄の生後8週齢のゴールデンハムスター40匹を使用し、口蓋部に4-META/MMA-TBB接着性レジンで作製した口蓋板を1,4および7日間装着した。また、一定の負荷をかけるため口蓋ヒダ第4条部の口蓋床に0.8mmの突起を付与した。観察は光学顕微鏡学的観察ならびに、電子顕微鏡学的観察を行った。 免疫組織学的観察において、加圧部の上皮突起の扁平化とMerkel細胞発現率の減少が認められた。蛍光顕微鏡学的観察においても同様の所見が認められた。電子顕微鏡学的観察において、細胞質内ミトコンドリアの変性、細胞顆粒、細胞突起の減少、細胞膜の断裂、接合神経線維の変性などネクローシスを思わせる像が認められた。しかし、細胞内容物の滲出や炎症性細胞浸潤などの所見は認められず、ネクローシス発現の確証は得られなかった。また、核クロマチンの凝集、核の断片化を呈する細胞が同時に確認され、少なくとも一部のMerkel細胞にアポトーシスの発現が示唆された。以上の結果より、口蓋板による持続的機械刺激は横口蓋ヒダに存在するMerkel細胞、接合神経線維の性状に影響を及ぼし、一部はアポトーシスを発現し、その数を減少させた。 以上の結果を得たので、今後、機械的刺激除去後の細胞数、形態の変化ならびに接合神経線維の変化を観察する予定である。
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