2005 Fiscal Year Annual Research Report
三叉神経脊髄路核における口腔顎顔面の痛覚情報処理の可塑的変化に関する研究
Project/Area Number |
17791431
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
詫間 滋 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (60360921)
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Keywords | 三叉神経脊髄路核 / Capsaicin |
Research Abstract |
実験動物は研究計画書に従い、生後5ないし7日齢の幼若ラットを研究対象とした。これは報告者が過去に行った生理学的検討(Brain Res.,906:1-12,2001)と同様の条件で組織学的検討をするためである。 同様の理由で新生仔capsaicin処理も過去の生理学的検討と同条件、すなわち生後2および3日後に50mg/kgのcapsaicin皮下投与を行った。生理学的検討では氷温酸素飽和リンゲル液下に遊離脳幹の摘出を行ったが、組織学的検討に際して可及的に固定条件の良い脳幹組織標本を得るため、幼若ラットの灌流固定を試みた。すなわち、エーテル深麻酔の状態で拡大鏡下に幼若ラットを開胸し、左心室へ24G留置針を刺入、大動脈へのカニュレーションを行い、これを用いたホルマリン滴下による灌流固定を行った。その後脳幹を摘出し、37℃の条件でホルマリン浸漬固定を行った。固定後の標本は37℃の条件下でのアルコール系列による脱水ならびにキシレン浸透、さらには60℃でのパラフィン浸透を経てパラフィンブロックとした後、滑走式ミクロトームを用いて切片を作成した。冠状、矢状、水平の各方向からの切片を作成し、まずは正常な組織学的構造を確認するため、control幼若ラットから作成した切片をニッスル染色の上観察した。その結果、三叉神経脊髄路核の組織学的構造は、三方向いずれの切片においても過去の報告と同様であり、報告者の生理学的検討の結果と矛盾しなかった。また研究計画の段階での予想通り、脊髄路核の組織学的検討には水平断切片が最も適していると思われた。物品購入から実験系セットアップまでにある程度の時間を要したこともあり、現時点では未だ研究の予備段階といえるが、今後クリューバー・バレラ染色による各実験群における三叉神経脊髄路核内ニューロン形態および分布の検索、さらには免疫組織化学による詳細な検討へと進む予定である。
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