2005 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜における感染防御機構の解明ならびに遺伝子治療の基礎的研究
Project/Area Number |
17791434
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
榊 宏剛 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (90374850)
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Keywords | RIG-I / LPS / poly IC / 口腔粘膜 / 感染防御機構 |
Research Abstract |
本年度申請者らは、RIG-I(retinoic acid-inducible gene I)の細菌刺激やウィルス感染刺激による発現を明らかにし、さらに口腔内の免疫機構における同遺伝子の役割について検討した。 はじめに、ヒト歯肉線維芽細胞を継代培養し、LPSならびに二本鎖RNAとしてpoly IC(polyinosinic-polycytidylic acid)を添加し、一定時間刺激後、細胞よりRNAを回収した。その後、発現増強の予想されるサイトカイン・ケモカイン遺伝子に対してRT-PCRを施行し、最適な刺激条件を検討した。刺激条件決定後、cDNAマイクロアレイを施行し、LPS刺激あるいはpoly IC刺激によって発現増強が認められる遺伝子を約3万の遺伝子の中から包括的に検討した。マイクロアレイによる解析の結果、当初より予想されていたサイトカイン・ケモカインの発現増強が認められたため、しぼり込まれた目的の遺伝子をlight Cyclerを用いて定量的RT-PCRを施行し、mRNAの発現量の定量を行った。次に、定量的RT-PCRにおいて発現増強が確認された遺伝子に対して、ウエスタンブロッティングならびにELISAを施行し、蛋白産生レベルにおいても産生増強が認められることを確認した。 以上の検討の結果、ヒト歯肉由来線維芽細胞においてLPSもしくはpoly IC刺激によってRIG-I mRNAおよび同蛋白が時間依存性・濃度依存性に増加していることが認められた。さらに、LPS・poly ICによるRIG-I mRNA発現は他の蛋白を介さないdirectなものであることも明らかとなった。 今後、今年度明らかとなった結果を下に、RIG-I遺伝子導入後の細菌・ウィルス刺激における反応を検討し、口腔粘膜における感染防御機構の解明をすすめる予定である。
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