2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期関連分子Cdk6による骨代謝調節機構の解明-遺伝子操作マウスの解析-
Project/Area Number |
17791438
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (20359623)
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Keywords | Cdk6 / 細胞周期 / 骨軟骨 / 分化 |
Research Abstract |
本年度は、Cdk6の骨軟骨細胞における機能について、多角的、総合的な解析を行った。 MC3T3-E1およびマウス骨芽細胞をBMP-2で分化誘導したところ、細胞周期分子の中でもCdk6が最も強く反応し、その発現が著明に低下した。MC3T3-E1にCdk6を過剰発現させると分化が抑制され、dominant negative(dn)Cdk6導入によって分化が促進された。次に無刺激条件下でMC3T3-E1におけるRunx2といくつかの細胞周期関連因子との結合を免疫沈降法で解析すると、Cdk6およびCdk4との結合が認められた。さらに、クロマチン免疫沈降法を行い、Cdk4-Runx2複合体がOC promoterに結合する一方でCdk6-Runx2複合体はOC promoterには結合しないことを明らかにした。MC3T3-E1にCdk6を過剰発現させると、Runx2の発現や細胞内局在は不変であったが、Runx2のOC promoterへの結合が阻害され、それに伴って分化が抑制された。また、Cdk4とRunx2の相関を検討するために、C3H10T1/2細胞にCdk4とRunx2を共発現させると、Runx2単独に比べてOCの発現が促進され、その分化促進効果はCdk4のサブユニットであるサイクリンD1を過剰発現させることで増強された。以上のことから、Cdk6はRunx2と結合してpromoterへのRunx2の結合を選択的に阻害することで、その転写活性を抑制していること、Cdk4はRunx2と結合して転写共役因子として骨芽細胞分化を促進することが示された。また、海外研究機関から供与されたCdk6ノックアウトマウスの解析にも着手したところである。(721字)
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Research Products
(5 results)