2005 Fiscal Year Annual Research Report
FDG-PETが反映する口腔癌の生物学的特性の解明
Project/Area Number |
17791444
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
中村 美喜子 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (50377462)
|
Keywords | FDG-PET / 口腔癌 / 免疫組織科学 |
Research Abstract |
(1)FDG-PETによる口腔扁平上皮癌の評価 口腔扁平上皮癌53症例(高分化型40,中等度分化型8,低分化型5例)を対象として,放射線併用動注化学療法の前後でFDG-PETを撮影し,FDGの腫瘍内集積を定量化(SUV値の算出)した.加療前SUVの平均は9.701で加療後SUVは平均3.714であり,放射線併用動注化学療法により有意に腫瘍の糖代謝活性が低下することが証明された.分化度による加療前SUVを比較したところ,低分化であるほどSUV値が高値を示した. (2)加療前の生検材料による病理学的,免疫組織化学的検討(現在20症例) 治療前のFDG-PET撮影後,化学療法のための動注カテーテル設置術術中に,FDGの高集積部位に一致する口腔内腫瘍の生検を行った.生検材料を用い,以下の染色を施行. ・HE染色 ・免疫組織化学染色 a.CD34 血管新生の指標として微小血管の内皮細胞をCD34抗体で特異的に染色.腫瘍内の微小血管密度,腫瘍単位面積あたりの微小血管数および微小血管周囲長の和を算出した.また画像解析にて微小血管より150μm以上離れた領域の面積を低酸素領域として算出.また,加療前SUVとの関係を単回帰分析にて検討. <結果>微小血管数/mm^2;62.55±34.67,微小血管周囲長/mm^2;2.86±1.71,低酸素領域(%);8.43±8.10.加療前SUVと単位面積あたりの微小血管数および血管周囲長の和との間にそれぞれ負の相関関係を認めた(p=0.046)(p=0.0206). b.グルコーストランスポーター1(GLUT 1) 悪性腫瘍細胞の細胞膜上に過剰に発現すると報告されている膜輸送タンパク(GLUT 1)を免疫染色で同定. <結果>全症例においてGLUT1の発現を認めた(腫瘍細胞1000個あたりの陽性細胞率;49.0±27.7(%)).加療前SUVとGLUT1の陽性細胞率との間には有意な相関関係は認めなかった(p=0.48).しかしGLUT1発現が高い症例ではSUV値も高い傾向にあった.
|