2006 Fiscal Year Annual Research Report
カベオリン発現ウイルスベクター・リポソームを用いた口腔メラノーマの遺伝子治療
Project/Area Number |
17791451
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 憲幸 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助手 (60378156)
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Keywords | 遺伝子治療 / メラノーマ / Caveolin-1 |
Research Abstract |
遺伝子治療は、欧米ではすでに脳腫瘍や卵巣腫瘍に対して臨床応用がなされており、また口腔癌においてもその有用性が示されている。しかし、これらの研究においては、ウィルスベクターの細胞毒性や、免疫原生の問題があげられる。これらの問題を解決するためにメラノーマに対するウィルスベクタへ・リポソームを用いたCaveolin-1(Cav-1)遺伝子導入による遺伝子治療の有効性と安全性の基礎実験を行なった。 前年度までの研究で、Cav-1を導入することによりメラノーマの癌形質(細胞の増殖能、移動能)抑制が認められた。本年度はその分子機構について詳しく検討を行った。 (1)Cav-1遺伝子導入細胞では、p130Cas, paxillinのリン酸化が有意に抑制された。 (2)Cav-1を遺伝子導入により、raftにおけるganglioside : GD3の局在がnon-raftにも分散された。 (3)Cav-1,GD3の免疫染色を行なった結果、Cav-1導入細胞ではGD3が細胞膜全周に拡散されていた。 (4)Cav-1遺伝子導入により、細胞の移動能に関与するleading edge形成の異常が認められた。 (5)Cav-1遺伝子導入によるGD3の局在の変化は、不飽和な脂肪酸を持つGD3(d18:1-24:1)の増加によるものであることが、Masss pectrometryにより確認された。 さらに本年度は、in vivoにおけるCaveolin-1遺伝子導入による抗腫瘍効果および免疫組織学的検討を行った。 (6)BALB/c^<-nu>slcマウスに皮下腫瘍モデルを作製し、pEGFP-Cav-1およびpMvc-Cav-1を腫瘍内に注入し腫瘍サイズを計測したところ、腫瘍の抑制効果が確認された。
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Research Products
(1 results)