2006 Fiscal Year Annual Research Report
正常骨髄幹細胞が癌の転移形成に果たす役割に関する基礎研究
Project/Area Number |
17791456
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
土井 理恵子 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (20294316)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 細胞・組織 / 病理学 / 幹細胞 |
Research Abstract |
口腔領域の癌で最も頻度の高い扁平上皮癌の高転移株を使用し,癌の転移や血管形成に関連するとされるCox-2とVEGFの発現について調査することを目的とした.Cox-2とVEGFは腫瘍細胞自身だけでなく宿主側の正常細胞からも産生されること,また血管新生への骨髄幹細胞の関与が報告され事実,身体他部より口腔への転移癌のほとんどが赤色骨髄の豊富な下顎骨に多いことより,転移の過程と転移巣での血管形成に血管新生関連因子の情報を伝達する,あるいはそれらに刺激された正常骨髄幹細胞の関与の可能性が考えられる.そこで上述一連の仮説のうち,正常骨髄幹細胞が血管新生関連因子とどのように関与するかを明らかにするまでの基礎研究を扁平上皮癌高転移株を使用し行う.転移形成と流血中の正常骨髄幹先棒との関連を調べるため,マウス舌にヒトSCC-3細胞株(低分化型)を移植しT3(腫瘍径4cm)になるまで増殖させ屠殺する予定であったが,T2(腫瘍径2cm)の段階でマウスは摂食量が落ち,マウスにおいては舌のT3形成は困難であると思われた.来年度背部・腹部等に腫瘍形成部位を変えて継続して研究を行う予定である.なお来年度の研究目標は当初の目標とし,できるだけ遂行するようにしたいと考えている.
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