2005 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン徐放型アパタイトScaffoldの作製と骨再建の検討
Project/Area Number |
17791464
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
舘原 誠晃 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90380089)
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Keywords | アパタイトセメント / アルギン酸ナトリウム / 再生療法 / 生体材料 / 骨形成 |
Research Abstract |
再生医療による組織の再生には、その構成成分の主体である細胞だけでなく、細胞の足場となる材料(scaffold)が重要です。骨再建用のscaffoldとしては多孔体ハイドロキシアパタイトが有用なことが知られています。最近、アパタイトと骨髄細胞を用いた骨再生が優れた方法として注目されています。しかし、従来の方法では、完全な骨の再生までに長時間を要するという欠点があります。そのため、骨再生期間の短縮化に対する研究が非常に重要であり、これを解決するために、骨芽細胞の増殖を促進させるサイトカイン徐放型アパタイトのscaffoldが有効であると考えています。そこでは、本研究でアパタイトセメントに薬物徐放性のあるアルギン酸ナトリウムを混合して、サイトカインを安定させた状態で持続的に徐放するscaffoldを作製し、その特性を検討します。また、培養骨髄間質細胞および実験動物を用いて、細胞の増殖、分化への影響、骨形成能の評価を行い、臨床応用可能なサイトカイン徐放型アパタイトscaffoldを開発することを目的とします。 1.サイトカイン徐放型アパタイトscaffoldの調整 アルギン酸ナトリウム、硫酸ヘパリン、ハイドロキシアパタイトおよび塩基性線維芽細胞増殖因子を使用して多孔体のscaffoldを作製する。 2.試作したscaffoldの物性検討 小型万能試験機にて圧縮強さ、引張り強さを測定する。また、走査型電子顕微鏡(SEM)にて構造を観察する。 実験結果 1.に準じて多孔体scaffoldを作製し、2.の方法にてscaffoldの物性を検討した。SEMにて観察すると、細胞増殖に最適と考えられている大きさのporeが確認できた。また、アルギン酸ナトリウムのみで作製したscaffoldと比較して優れた強度を有することが確認できた。臨床応用に耐える機械的強度があると予想された。
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