2005 Fiscal Year Annual Research Report
ドラッグデリバリーシステムを用いたレプチンの局所投与による骨折治癒促進効果の検討
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17791466
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
工藤 景子 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (70380029)
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Keywords | レプチン / 薬剤徐放 / 骨折治癒 / 骨形成 / ドラックデリバリーシステム |
Research Abstract |
局所増殖因子としてのレプチンの役割を検討するために、本年度はレプチンのドラックデリバリーシステムの開発を第1の目的として、研究を行った。今後のシステムを骨折部位に投与し、その治癒促進を謀ることも視野に入れ、骨折マウスへの皮内注射による骨折治癒部位の変化も検討した。 1)レプチン投与の担体として生分解性ポリマー(ラクタイド、グリコライドおよびカプロラクトンの3種類の環状モノマーを重合・共重合することによりポリマーを合成したもの)へのレプチン吸着 1%、2%、5%の50/50PLGAに10μg/100μlのレプチンを溶かしてディスクを作成した。 2)レプチン含有生分解性ポリマーからのレプチンの徐放速度の測定 上記で作成したディスクをPBS500μlに浸漬し、経時的(1日、3日、5日、7日、14日、21日、28日)にPBS中のレプチン濃度の測定をELISA法にて行った。 測定は、R&D system社のQuantikine human leptinを用いて行った。レプチンモノクローナル1次抗体にてコーティングされた96穴プレートに、サンプルおよびスタンダードを各wellに加え、室温で2時間インキュベートした。Wash bufferにて洗浄後、HRP標識抗レプチン抗体を加えて室温で1時間インキュベートした。Wash bufferにて洗浄後、発色基質を加え、遮光下室温で30分インキュベートした。Stop solutionを加え、発色を停止した後、マイクロプレートリーダーを用いて450nmの吸光度を測定し、スタンダード曲線からレプチン量を計算した。 1%、2%、5%いずれの濃度においても、測定期間内に数十pg〜800pgのレプチンの放出が認められた。 3)骨折マウスに対するレプチンの皮下投与 雄性ICR5週齢マウスの第8肋骨を骨折させ、その後、隔日にて30μg/0.3mLSaline/匹レプチンを投与。対照群(生理食塩液のみ投与)と比較して、レプチン投与群にて、骨折治癒の促進が観察された。
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