2006 Fiscal Year Annual Research Report
ドラッグデリバリーシステムを用いたレプチンの局所投与による骨折治癒促進効果の検討
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17791466
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
工藤 景子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (70380029)
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Keywords | レプチン / 薬剤徐放 / 骨折治癒 / 骨形成 / ドラックデリバリーシステム |
Research Abstract |
1)骨折治癒部位に対するレプチンの局所投与の効果(レプチン欠損マウスにおいて) われわれは、以前の研究において、ob/obマウス(レプチン欠損マウス)では正常マウスに比較して1〜2週間の骨折治癒の遅延が認められることを確認している。今回は、ob/obマウスにレプチンを添加することにより、その骨折治癒の改善がはかれることを確認するために研究を行った。 生後5週齢のob/obマウス(雄性)の右側第8肋骨を骨折させ、レプチン含有生分解性ポリマー(平成17年度に作成済み)を骨折部位に留置した。またネガティブコントロールとしてレプチンを含まない生分解性ポリマーを用いた。骨折後0、4、7、14、21および28日目に組織学的変化を観察した。レプチン含有群では骨折後21日目には軟骨内に血管新生が生じ、28日目には軟骨から骨への置換が完全に終了し、骨折治癒がほぼ終了していた。ネガティブコントロール群では、骨折の治癒は進行するものの、28日目においては、少数の血管新生を認めるのみで、骨折治癒の遅延が認められた。また、摘出骨をマイクロCTを用いて検索することにより、組織学的検索同様、レプチンを添加したob/obマウスではネガティブコントロール群と比較して早期に骨梁の形成が認められた。 2)正常マウスにおける骨折治癒の検討 正常マウス(ICR;雄性)の右側第8肋骨を骨折させ、レプチン含有生分解性ポリマーを骨折部位に留置した。またネガティブコントロールとしてレプチンを含まない生分解性ポリマーを用いた。骨折後0、4、7、14、21および28日目に組織学的変化を観察した。レプチン含有群では骨折後14日目には軟骨内に血管新生が生じ、21日目には軟骨から骨への置換がほぼ終了していた。ネガティブコントロール群では、骨折の治癒は約1週間程度遅れていた。 <結論> レプチン投与により骨折治癒が促進することが確認できた。
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Research Products
(1 results)