2005 Fiscal Year Annual Research Report
表皮抗原提示細胞であるランゲルハンス細胞を埋め込んだ培養口腔粘膜組織の作成
Project/Area Number |
17791473
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
飛田 尚慶 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (00336174)
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Keywords | ケラチノサイト / ランゲルハンス / 無血清培地 / 人工口腔粘膜 |
Research Abstract |
当大学での倫理委員会への研究許可を得た後、組織から粘膜上皮細胞を単利する場合の細菌汚染及び単層培養による口腔粘膜上皮細胞の安定培養法を獲得した。それによると口腔粘膜組織から血餅を十分にとること、ゲンタマイシン/ファンギソン=12.7mg/ml/192μg/mlの濃度に調整したPBS溶液(組織洗浄溶液)に3時間浸漬し、さらに同洗浄溶液で機械的に洗浄することにより汚染による失敗を10%以下へ抑制できた。 以上のデータを元にしSchaffoldであるAlloDerm【○!R】上へ粘膜上皮細胞を播種した3次元培養による再生口腔粘膜粗織を完成させている。通法による組織切片作成・HE染色では生体と同一の組織構造を持つ粘膜を作成できており、アメリカ・ミシガン大学で作られているものとまったく変わらないものが得られた。 ヒト・ランゲルハンス細胞の取得及び培養であるが、口腔粘膜組織から採取する場合その数が余りに少なく更に、細胞自体がすでに分化終了したものであるために上記した再生粘膜への埋め込みに支障をきたす事が他大学の報告及び論文でわかった。したがって、末梢血よりランゲルハンス細胞の前駆細胞である樹状細胞をMACSシステム(磁気活性化細胞分離システム)にて分離する計画に変更となった。また、無血清培地によるランゲルハンス細胞培養も現段階では満足の得られる培地が開発されておらず、今回の実験ではRPMI培地及び低濃度血清を使用することとなった。 今年度はボランティアからの採血によるランゲルハンス前駆細胞の分離および培養と、再生粘膜へ導入する際の無血清培地使用の可能性を探索する予定である。
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