2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨・軟骨系におけるNO合成酵素とサーカディアンリズム関連遺伝子の作用解明
Project/Area Number |
17791488
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
安部 貴大 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20383250)
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Keywords | NOS / 時計遺伝子 / 骨芽細胞 / 軟骨細胞 |
Research Abstract |
当科で現有の実験設備は本研究を遂行するうえで困難を帰するため、本年度は実験室のセットアップから行い、細胞培養設備、生化学実験設備の整備を行った。これらに要する基本試薬などを準備したうえで、まず骨・軟骨系細胞株であるMC3T3-E1、ATDC5、C3H1OT1/2および対照株として293、HepG2、HT-1080、C2C12を入手し、まずNOSの発現レベルの検討から行った。発現の確認にはRT-PCR法を用いて行った。すでにMC3T3-E1を用いて確立したiNOS発現条件は炎症性サイトカインの処理によって誘導されるため通常の培養下での発現は認められないが、他の細胞株も同様であった。現在eNOS、nNOS、時計遺伝子群Per1、Per2、Dec1、Clockの発現検討に着手しているところであるが、条件検討中である。さらにタンパク質の発現検討を行うためにウェスタンブロット法、免疫染色法による検討を行うための設備を整え骨分化マーカー因子の抗体を入手した。時計遺伝子群の抗体はその多くが市販されていないため、入手法について模索している。さらに、組織学的解析を行えるよう硬組織標本作製の設備を整えた。 本年度は実験室改装から行う必要があり、その整備に時間を費やされたが生化学的基本操作が可能となった。その間、本学ゲノム医学研究センター副センター長:須田立雄博士、病態生理部門:片桐岳信博士両氏にご指導をいただき、先端研究の情報収集に努めた。昨年Per、Cry遺伝子改変マウスの解析による報告があり、その欠損マウスで骨量が増大することが確認されている(Fu et al.Cell 2005)。単離した骨芽細胞の増殖能増大に影響していることから、時計遺伝子群が骨リモデリングの調節に関与していることが明らかとなった。今後これらの知見をもとに新たな視点での解析を進めたい。
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