2005 Fiscal Year Annual Research Report
天疱瘡自己抗体の結合カイネティクスによる新たな病原性判定法の開発
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17791489
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| Research Institution | Keio University |
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Principal Investigator |
角田 和之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60265915)
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| Keywords | 臓器特異的自己免疫疾患 / モノクローナル抗体 / 表面プラズモンセンサー |
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| Research Abstract |
天疱瘡自己抗原蛋白であるデスモグレイン3(Dsg3)と天疱瘡モデルマウスより作製した様々な病原性を有する抗Dsg3モノクローナル抗体(AK mAb)との抗原抗体結合カイネティクスをin vitroにて表面プラズモンセンサー(Biacore)を用いて解析した。まずAK mAbはBiacoreにてマウスDsg3蛋白と結合することが確認された。そこで各モノクローナル抗体の結合解離係数(K_D)を算出したところ、各AK mAbのマウスDsg3に対するK_D値は同一ではなかった。またAK mAbの病原性と結合カイネティクスの強弱について検討したが、両者の間には明らかな相関関係は認めなかった。次に病原性の異なるAK mAbをマウスに投与し、その血中半減期を測定することによりin vivoにおける病原性依存的な抗原抗体反応の解析を行った。異なる病原性を有するAK mAbをDsg3を発現しないDsg3ノックアウト(-/-)マウスおよび正常にDsg3を発現するDsg3+/+マウスに投与後、経時的に採血を行いELISA法にて血中の抗Dsg3抗体価を測定し半減期を算出した。病原性の強いAK mAbは自己抗原存在下(Dsg3+/+)では自己抗原非存在下(Dsg3-/-)に比べて有意にその半減期が他のAK mAbよりも早く、in vivoにおいては抗体の病原性の強度がその半減期に影響する可能性が考えられた。以上の結果よりBiacoreを用いた抗原抗体結合カイネティクスの解析およびin vivoにおける病原性依存的な抗原抗体反応の解析は、天疱瘡における自己抗体解析の有用な方法になるものと考えられた。次年度よりBiacoreにおいてはヒトDsg3に対する結合カイネティクスの解析、エピトープの異なるモノクローナル抗体同士の結合カイネティクスに対する影響などについて解析を進めていく予定である。
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