2005 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症;形態変化と滑液成分の関連-破骨細胞を動かす因子に着目して-
Project/Area Number |
17791506
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松野 美乃 北海道大学, 病院, 医員 (80374544)
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Keywords | 歯学 / 顎関節 / 滑液 / プロスタグランジン / 頭部X線規格写真 |
Research Abstract |
本研究の目的は顎関節治療の一環として行なわれる関節腔洗浄療法の治療の際に採取される滑液を生化学的に解析するとともに、解剖学的所見と臨床症状を調査し、その関連性を追及することである。本年度におこなった内容は以下の3つである。 1.北海道大学病院歯科診療センターを受診し、関節腔洗浄療法を受けた患者38名(男性3名、女性35名)の滑液の生化学的分析をおこなった。関節炎マーカーとしてprostaglandin E_2(PGE_2)についてERISAをもちいて計測した。その結果、15名(39.5%)にPGE_2が検出された(70.2ng/mg protein)。同時にタンパク量も測定を行い、PGE2検出群(0.912mg/ml)で非検出群(0.684mg/ml)に対して有意に高い値となった。 2.上記患者の解剖学所見(MR所見、関節鏡所見)をPGE_2検出群、非検出群の2群間にて検討した。その結果、骨変化および退行性変化ではPGE_2検出群が有意に重症度の高い評価となった。また癒着に関しても有意差はないもののPGE_2検出群に高い評価となった。 3.PGE2検出群の2名において頭部X線規格写真の分析(解剖学的分析)を行ったところ、下顎枝後縁(G-Z-N)の前傾が2症例ともに認められた。 来年度はさらに症例数を増やすとともに他のサイトカインについて分析をおこなう。また希釈滑液からの顎関節滑液細胞の単離、培養を試みるとともに骨吸収抑制剤の効果についても検討を行う予定である。
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