2007 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節症;形態変化と滑液成分の関連-破骨細胞を動かす因子に着目して-
Project/Area Number |
17791506
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松野 美乃 Hokkaido University, 北海道大学病院, 医員 (80374544)
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Keywords | 歯学 / 顎関節 / 滑液 / プロスタグランジン / 頭部X線規格写真 |
Research Abstract |
本研究の目的は、顎関節治療の一環として行なわれる関節腔洗浄療法の治療の際に採取される滑液を生化学的に解析するとともに、解剖学的所見と臨床症状を調査し、その関連性を追及することである。 本年度におこなった内容は以下の通りである。 1.北海道大学病院歯科診療センターを受診しclosed lockを伴う顎関節症患者の顎関節腔内滑液を採取した。今回はさらにそのサンプル数を増やして追試をおこなった。サンプルの上清のみを生化学的分析に用いた。生化学的分析としてはEIA kitにてプロスタグランジン濃度を測定した。またその測定したプロスタグランジン濃度と顎関節の臨床症状および検査結果の関連性を調査した。臨床症状は、開口時摂食時の疼痛度をVASにて評価するとともに開口度を測定した。解剖学的所見はMRIにて骨変化を評価し、関節炎・軟骨変化・癒着に関しては関節穿刺術時に同時に行なわれる関節鏡所見にて評価した。プロスタグランジン量と骨変化・関節炎・軟骨変化・癒着の重症度および臨床症状との相関については現在検討中である。 2.今回は軟骨変化に着目し、非コラーゲン性のグリコプロテインで軟骨基安定化に関与していると考えられているCOMP(cartilage oligomeric matrix protein)について検討した。上記患者の滑液サンプル中の関節軟骨基質から分離されるCOMP(intact COMP)をERISA kitを用いて測定を行なった。COMPは関節滑液内で分解され、低分子量の小断片化していることがあり、今後、抗COMP抗体を用いてwestern-immno blotting法を行なう予定である。
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