2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織再生シートを用いた歯根膜および歯槽骨の同時再生法の開発
Project/Area Number |
17791512
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西村 真 東北大学, 病院, 医員 (50375094)
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Keywords | 再生歯科 / 骨 / 骨膜 / 歯槽骨 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
ラット頭蓋から骨膜を採取し、採取した骨膜の骨面に接する側が培養ディッシュに貼り付くようにして、培養を行った。約1Wで骨膜細胞がアウトグロースし、その後約2Wでコンフルエントに細胞は増殖した。コンフルエントの状態から、さらに培養を続けると紡錘状の細長い細胞形態から成熟した骨芽細胞に類似した形態に変化した。過去の報告では、骨膜から採取した細胞は培養中に自然と重層化すると言う報告があったが、今回の実験で用いたラット骨膜細胞ではそのような結果は見出せなかった。そのため、フィブリンゲル上で培養を行うことで骨膜細胞の重層化を計画したが、培養中にコンタミを起し、うまく培養を行うことができなかった。一方、ラットから採取した骨膜細胞が細胞培養期間により形態変化が生じることから自己のシグナル因子により細胞分化を起していることが解った。そのため、細胞培養期間の違いによる細胞の遺伝子発現レベルおよびタンパク発現レベルを解析し、歯槽骨再生においてどの段階の培養細胞を用いるのが良いかを今後検討する。また、引き続き、骨膜細胞の重層化をはかる。 ラット骨膜の培養と同様に、ビーグル犬の下顎歯槽部より採取した骨膜を同様に培養し、現在培養段階にある。イヌ骨膜細胞では、培養によって自然と重層化する報告があることから、この細胞で重層化が生じるかを確認する。また、フィブリンゲル上での骨膜細胞の重層化についても引き続き検討する。今後、重層化した骨膜細胞を犬の歯槽骨欠損モデルに移植し、歯槽骨再生の検討を行う。
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