2005 Fiscal Year Annual Research Report
顎顔面非対称症例におけるデザインパターンの設計とその臨床応用
Project/Area Number |
17791517
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
越知 佳奈子 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (60397122)
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Keywords | 歯学 / 臨床 / 歯科矯正学 / 顎顔面非対称症例 / デザインパターン / 三次元計測 |
Research Abstract |
顎顔面非対称症例の多くは、顎顔面形態を構成する頭蓋・顎骨・歯槽部・歯列という構造体の個々の変形、あるいは相互の位置関係の偏位と考えられる。治療方針、あるいは外科的手術方法に直結した顎顔面非対称症例のパターンを設計するために、今年度は顎顔面形態の構成要素の中から、矯正治療で直接変化させることができる歯列、歯槽部について、三次元偏位モデルの作成に必要な特徴点を歯列模型より客観的に抽出し、これらの特徴点をパラメータとして歯列-歯槽部形態を三次元的に解析するシステムを開発した。また、同システムを応用し歯槽部の補償的変形が著しい顎変形症症例に対して、システムの整合性についても検討した。 (1)備品として購入した三次元スキャナー(LPX-250 Roland DG社)を用いて歯列模型をコンピュータに入力し、(2)咬合平面を基準としてスキャンしたデータの座標変換を行った。(3)正常咬合者の歯列弓を表現した四次多項式を利用し、歯槽部の断面形状を算出後、断面形状から特徴点を抽出した。(4)抽出したデータから、咬頭頂、歯頚部、歯槽基底部について対称性、連続性等を三次元的に解析し、実際の模型との整合性について検討した。 本研究で開発したシステムにより、歯列および歯槽骨の補償的変形、いわゆる歯列-歯槽部のcompensationが全体的に評価可能となった。また、このシステムにより、歯列-歯槽部を特徴的に表現するパラメータが抽出可能となるため、これらのパラメータを用いて客観的に歯列-歯槽部の形態を表現することにより、複雑な顎顔面非対称症例のモデル化あるいは治療方針のパターン化に応用できると考えられる。
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