2005 Fiscal Year Annual Research Report
3次元構築及び形態計測を用いた骨中骨細胞のネットワークの解明
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17791524
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
菅原 康代 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (70379775)
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Keywords | 骨細胞 / 骨 / 共焦点レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
骨細胞は立方体の骨芽細胞から分化する際に樹枝状の突起を出し、形態変化を起こして骨中でネットワークを築いている。しかしながら、骨細胞は石灰化した組織に覆われているため、今までその三次元構造を可視化する事は困難であった。我々は骨細胞がアクチン線維に富んでいることに注目して、アクチン線維を蛍光染色することにより、骨中の骨細胞を蛍光染色させることに成功した。続いて、共焦点レーザー顕微鏡を用いてニワトリ胚頭蓋骨をそのまま観察することに成功した。これらによりニワトリ胚頭蓋骨中の骨細胞のネットワークを捉えることが可能となった。この画像はコンピュータ処理できるため、ソフトウエアを用いて骨細胞の体積、表面積、長さを計測できた。 しかしながら、これらの実験はニワトリ胚頭蓋骨が薄くて均一であるという特長を持っているため、骨そのままの観察を可能にしていた。骨細胞のネットワークは種や宿主の状態によって変化するのではないかと考えられる。したがって、マウスへの応用が必要であると考えられた。現在マウスの胚頭蓋骨の骨細胞のネットワークを解明中であるが、その結果、ニワトリ胚頭蓋骨中の骨細胞は規則正しく存在していたが、マウスの胚頭蓋骨中の骨細胞は不規則に存在している様子が観察されている。 また、薄い胎生期の骨だけでなく、硬い骨中のネットワークも見ることができれば骨に疾患を持つ病態マウスの解明にもつながると考えられる。そのため、骨中の骨細胞のネットワークを維持したまま、共焦点レーザー顕微鏡の焦点がとらえることができるように応用することが望まれる。現在、大人のマウスの長管骨を取り出し、凍結切片を作成することにより、その骨細胞のネットワークを捉えることに成功している。そのため、ノックアウトマウスを用いて、病態と骨細胞のネットワークの関連性について検討していく予定である。
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