2006 Fiscal Year Annual Research Report
機械的刺激による下顎骨の成長の制御とそのメカニズムの探究
Project/Area Number |
17791525
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 伸明 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (90397969)
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Keywords | 成長板軟骨 / 増殖 / 分化 / 機械的刺激 / 内軟骨性骨形成 / 増殖能 / 基質産生能 / 最終分化 |
Research Abstract |
昨年度は、内軟骨性骨形成過程の増殖期および基質産生期における機械的伸張力および機械的圧縮力の影響についての検討を行った。本年度はさらに発展させ、内軟骨性骨形成最終分化過程にあたる軟骨から骨へと置き換わる肥大期(最終分化期)における機械的刺激の影響について検討を行った。 (1)周期的な機械的伸張力は肥大期にある成長板軟骨細胞のALPaseおよびTypeX collagenの骨マーカー遺伝子発現を抑制すると共に、アリザリンレッドの染色性は対照群と比較して低下し約60%となった。また、TypeII collagenおよびAggrecanの軟骨マーカー遺伝子発現は亢進した。同時にTGF-βの遺伝子発現も促進し、機械的刺激によるアリザリンレッドの染色性の低下は、TGF-β中和抗体添加により回復する傾向を示した。このことから、肥大期への機械的刺激は軟骨細胞の最終分化を抑制し、TGF-βシグナル経路を介していることが明らかとなった。 次に、in vivoでの内軟骨性骨形成と機械的刺激の影響を検討するため、ラット下顎骨の運動制限を行った下顎頭の組織学的検討を行った。 (2)7日間の下顎骨の運動制限により、4、8および12週齢のラットの下顎頭軟骨層の菲薄化が生じ、増殖軟骨層、肥大軟骨層、全軟骨層のいずれの圧径も有意に小さくなった。また、週齢が若くなるほどその影響は大きく、運動制限後下顎頭軟骨層の回復も早かった。 これらのことより、機械的刺激は内軟骨性骨形成に不可欠であり、その過程を制御していることが分かった。
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Research Products
(2 results)