2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791526
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
本田 康文 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (00335663)
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Keywords | 矯正力 / 歯根膜細胞 / 軟骨細胞 / 滑膜細胞 / 機械的負荷 / 時計遺伝子 / PER1 / PER2 |
Research Abstract |
本研究は、矯正歯科治療中の組織変化を想定して、機械的負荷が歯根膜細胞や軟骨細胞および滑膜細胞などの時計遺伝子発現に及ぼす影響を検討し、矯正治療中の矯正力や顎整形力による組織変化のリズムを明らかにするとともに、機械的負荷と時計遺伝子の関係を解明することを目的とするものである。 実験に用いたヒト歯根膜由来線維芽細胞は、矯正歯科治療の必要上抜歯と診断された健全な第一小臼歯から、Semermanらの方法に準じて単離した。また、軟骨細胞はウサギ膝関節より単離し、滑膜細胞についてはウサギ膝関節より採取した滑膜組織をoutgrowth法にて培養後、継代して得た。 細胞増殖能はCellTiter 96 Aqueous Assay Kitを用いて、MTT assay法を行って評価した。歯根膜細胞および滑膜細胞については、実験には5〜8回継代した細胞を用いた。培養開始後6日目から7日目に急速に増加し、9日目以降でほぼ一定となった。また、関節軟骨細胞については、継代を行うと脱分化することより初代培養細胞を用いた。培養開始4日目から活発な増殖を示し、7日目以降でほぼ一定となった。 以上より、まずは歯根膜細胞をFlexercell plateに播種し、培養9日目にFlexercell strain unitを用いて細胞に10kPaの伸張力を負荷し、1,3,6,12時間後にtotal RNAを回収し、cDNA合成後、human PER1(111bp),human PER2(131bp),human BMAL2(113bp)プライマーおよびそれぞれのプローブを用いて定量PCR解析を行った。 その結果、PER1,2、BMAL1遺伝子について、いずれも機械的負荷によりわずかに増加する傾向が認められた。また、各種遺伝子間ではPER1,2に比較してBMAL1の発現が高いことが認められたものの、まだ結果にばらつきがあるためさらなる検討が必要であると考えられる。
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