2005 Fiscal Year Annual Research Report
ラット口腔内炎症モデルを用いた下降性疼痛抑制機序の解明
Project/Area Number |
17791527
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
渡邉 峰朗 広島大学, 病院, 助手 (80325183)
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Keywords | 神経因性疼痛 / ラット / 三叉神経脊髄路核 / IL-1beta / MAPK1 / 2 / JNK / chromic gut / Von Frey |
Research Abstract |
本年度は顎顔面領域で神経因性疼痛モデル作製を行った。さらにサイトカインとの関連性を調べる目的で浸透圧ポンプを用いて、IL-1betaのantagonistとしてIL-1ra、MAPK1/2 inhibitorとしてU0126、JNKのinhibitorとしてSP600125を脊髄腔内投与した。 (1)ラット(240-280g)を用いた。1μ/hでポンプ内の溶液を排出する浸透圧ポンプを用いた。ポンプにはポリエチレンチューブを接続した。麻酔後、ポリエチレンチューブの先端が三叉神経脊髄路核に位置するように脊髄腔内に挿入し、ポンプ本体は背中に埋入した。ポンプ本体にはIL-1ra(1μg/ml)、U0126(0.5μg/ml)、SP600125(0.5μg/ml)を装填した。コントロールとして生理食塩水または50%DMSO水溶液を用いた。 (2)手術から3-4日後、左側眼窩下神経を剖出し6-0号牛chromic gutで結んだ。 (3)疼痛行動テストとしてVon Frey filaments (9mg to 257g)を用いた。ラットは術者の手に屈むように訓練した。ラットwhisker padまたは頬にVon Frey filamentsを押し当て頭を急激に動かした場合を疼痛逃避反応を示したと判断し,Von Frey filamentsの値を記録した。 (4)コントロール群で神経結紮後、24時間、3、7、10日で、神経結紮側のWhisker padと頬で痛覚過敏が発現した。IL-1ra、U01265、SP600125を脊髄腔内投与すると、有意に疼痛が抑制された。 このようなデータの結果を踏まえ最終年度となる来年度は、シグナル伝達系の下流領域でMAPK1/2あるいはJNKがIL-1betaの発現に関与しているかどうかを、western blotts、R-PCR、さらに二重免疫染色を用いて検討するつもりである。
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