2005 Fiscal Year Annual Research Report
若年性歯周炎における骨芽細胞を介する重度骨破壊の分子メカニズムの解明
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17791533
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
齋藤 幹 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (40380852)
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Keywords | 若年性歯周炎 / 4-1BB / 骨代謝 |
Research Abstract |
4-1BBはTNFレセプターファミリーに属する分子として知られていたが、以前我々の行った研究でBCGや大腸菌に感染した骨芽細胞上で発現し、破骨細胞の分化抑制する事が判明した。そこで今回、歯科領域において重篤な骨吸収を引き起こす歯周炎に着目し、前思春期生歯周炎や若年性歯周炎の原因菌であるActinobacillus actinomycetemcomitans(以下A. actinomycetemcomitans)や成人性歯周炎の原因菌であるPorphyromonas gingivalis(以下P. gingivalis)を用いて4-1BB発現についての検討を行った。 A. actinomycetemcomitans(JP2株)をマウス骨芽細胞様細胞MC3T3-E1細胞にMOI=50で感染させた。0,6,12,24時間後にPBSにて洗浄し、細胞外の細菌を除去したのち、Trizolを用いて細胞を回収した。このサンプルからRT-PCRを行い4-1BBの発現量について検討した。その結果、感染0,6時間後では4-1BBの発現に変化は認められなかったが、感染12時間以降4-1BBの発現に減少が認められた。また、P. gingivalis(33277株、W83株)を用いて同様の感染実験を行った所、A. actinomycetemcomitansと同じように4-1BBの発現量が減少した。 以上の結果から、歯周病原因菌であるP. gingivalisやA. actinomycetemcomitansが骨芽細胞に作用し、4-1BB発現を減少させる事によって、破骨細胞の分化増殖を亢進させている可能性が示唆された。
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